日陰の縁を歩く

毎晩、文章を書きます。

翻訳 除夜の鐘

大晦日の夜、何でも食べると評判の大男 マー は、時計の針が0時を指す前に、大量のお蕎麦を飲み込むように食べた。それでもお腹が満たされないマーは、ちょうど目の前に落ちていた108つ分の煩悩まで次々に胃の中へ納めてしまった。

 

遠くで響く鐘の音。ゴーンと鐘がひとつ鳴る度に、ぽちゃん とマーのお腹から音が漏れた。ふたつみっつと重なって、108つめの音が鳴った時、ぽっちゃんと大きな音がして、マーは大きな体ごと消えてしまった。

 

大きな煩悩を胃に抱えた、可哀想なマーの話。

(Bell of New Year 's Eve)